遺産相続における特別受益の持ち戻し
被相続人の父親が亡くなると、その財産は大阪で小さな家族葬ののち、母親と子供たちに相続されますが、得てして父親が生前の内に子供に高額な財産を贈与しているケースがあります。例えば、父親が長男に住宅の購入費として1,000万円を贈与していた場合、残っている遺産額を法定相続分通りに分割したのでは、他の相続人に対して不公平になります。上記の1,000万円のように、生前に贈与されたものを「特別受益」と言います。
遺産相続の制度では公平な遺産分割をするため、特別受益を相続開始時の遺産に含めて計算することができます。特別受益を相続財産に組み込むことを「特別受益の持ち戻し」と言い、合計した財産を「みなし相続財産」と呼びます。
●持ち戻しの対象
持ち戻し可能期間は10年であるため、それ以前に贈与されたものは対象になりません。なお、遺贈も特別受益とされ、生前贈与と同じように扱われます。持ち戻しの対象となるのは被相続人から法定相続人に対して行われた生前贈与や遺贈であり、相続人ではない第三者に贈られたものは対象外です。
ちなみに、特別受益は言いだすと際限が無くなるため、以下のような社会通念上、特に高額なものとされています。
・結婚資金:結納金、持参金など
・特別な生計資金:住宅購入費、開業資金など
・高額な教育資金:大学医学部の入学金など
ただし、被相続人が持ち戻し免除の意思表示をすると、持ち戻しができません。